ハナキン

 メルヘンっつうか、なんつうか紫色の履歴書つうか、なんつかここ掘れアンアンつうか、なんつかあれだ。更新する暇がなかったんで、忘れないように抜粋して友だちにメール送ったりした話です。
 仕事が明るいうちに終わったもんだから、ひっさびさに世界堂に行きたくなってニヤケ顔で世界堂で石膏像見て勃起させて……じゃなくて、うちは両親が美大だったり、絵描き目指してたりで焼失前の世界堂はよく行ってたわけ。あと高校も甲州街道超えてすぐの都立高校だったから、学園祭のときとかに、ハンズか世界堂つうのはよくよく行ってんですわ。アホずら下げて……って話は置いといて、ひさびさに行きたくなったから、とある7月終わりの暑い金曜に行ってなんかよくわからないけど小さいスケッチブック買って(いまでも居間に放置してあるんだが)、だらーっと甲州街道の方に抜けて歩いてたけだ。そうするってえと、あのシネコンのあたりで前からどう見ても、100発100中丸出しの男同士のカップルの方たちがクネクネとにこやかに歩いてくるんだ。しかも俺のこと見て、なにやらふたりでニヤニヤ、と、目の前まで来たわけ。俺、そのときピンクのフェラ・クティのTシャツきてたんだ。でも、フェラ・クティって口でアレするって話じゃなくて(むしろされる方だと思う)、ご存知アフロビートの王様だ。ざ、絶倫で『シャカラ』ってジャケットで数十人の女性が人文字書いてるんだが、それ全部奥さん(笑)。で、話はもどって、そのふたり。

オ1「あのぉ〜、2丁目ってどっち????」
俺「へぁ、あ、あっちっすよ。もうちょっとまっすぐ行くと御苑の入り口があるから……」
オ2「私たち、地方のゲイだからわからなくって」(まずはこの“地方のゲイ”ってのが腹にボディーブローのように突き刺さる)
俺(笑いをこらえながら)「入り口みえたら、左にいって、大きな通りにあたるからそしたら右に入ってもらって……」
オ1「あら、ありがとう。東京の男の子は優しいわね」
オ2「おにいさんも一緒にどう? 3人で楽しいわよ」
俺「いや〜、僕そっちの趣味は……」
オ1「そうよ。せっかくのハナキンなのにオカマと一緒じゃ、嫌に決まってるしょ!」
オ2「そうよね〜。あら〜失礼しました。ハナキンって、キンは取りたいくらいなのにね」
オ1「私はついてるのも好きよ〜。あらやだ、お話が下品ね……じゃあ、おにいさんありがとうね〜。よい週末を〜」
(帰りのバスの思い出し笑いで、目のあったOLに気持ち悪がられた)

いや、なんか良い週末を〜っていうのでなんか、良い人たちだなって思ったって話。

シャカラ/フェラズ・ロンドン・シーン

シャカラ/フェラズ・ロンドン・シーン